メグ・ヒックリングさんの講演会

―メグ・ヒックリングさんから学ぶ子どもと性を語る言葉―
( 2002.4.23 掛川美感ホールにて )
〔その1〕



 性教育をどんなふうに子どもにしていったらよいのか。
 悩むところだが、なんとなく自分では避けて通ってきてしまった。

 私たちの世代は、まだまだ親たちがそういうことをタブー視している世代なので、そういう育ち方をしてきてしまった…というのが大多数ではないだろうか。
 今でこそ、TVや雑誌ではかなり大胆な性描写があたりまえのようになっていて、もっと、ますます過激に…少しばかりでは子どもたちも驚かないくらいになっている。 そして、そういうところから間違った知識を頭に入れてしまったり。――ほんとにそうなの?なんて親に聞けもしないし。…って感じだろうか。

 私たち自身も、そんなの自然にわかることだから…なんていいかげんに考えて、大事な話をすることを避けているのでは…。

 子どもに聞かれたら答えよう、という気持ちはもちろんあったのだけど、さてきちんと正しいことを教えられるのかどうか、疑問だ。
 しかし子どもは敏感なので、親の方から自然にそういうことを話すことができなければ、子どもは「こういうことは親には言っちゃいけないんだ」と感じるようになり、話さなくなってしまうのだそう。そして間違った知識をおもしろいやらしく、ともだちやいとこから植え付けられる…というケースが多い、と。
 「子どもに聞かれたら」…ではいけない、というのがメグさんのお話を聴いているうちにわかってきた。

 実際、中学生にもなれば巷にあふれているティーン雑誌を買い、それに書かれているウソのようなホントのような、とんでもない経験談などを読み漁って、それがフツーなんて思い込んでしまうんだからおそろしい。
 そんな年頃になって、「それは違うんだよ」などと親が言ったって聞こうともしないだろうし、今さら言えもしない。

     

 メグさんは人間の成長を5段階に分けていて、その第1、第2段階がいちばん教えやすい時期だということをおっしゃっていた。
 つまり、第1段階は3歳〜5歳。まだ小さいから話す必要はない、と思う年齢だ。そして第2段階は8〜9歳までの、トイレにまつわる冗談が好きな子どもたち。
 この年齢の子どもたちに、性教育を科学的に話すと、ふ〜んそうなんだとあたりまえに受け止め、もっと科学的に知ろうとして、どんどん質問をしてくる。知ろうとする気持ち(エンジニアの心)がとても強いので、この段階(特に第2段階)が一番教えやすい。

 科学的なこととして日常的に会話ができるということがいかに大切か。

 小さい頃から親が性のことについて話していると、いい親子関係が保てる。というのは、「こういうことをお母さんに話してもいいんだ」と子どもが思い、何か問題があるときにすぐに言ってきてくれるようになる。
 そして、小さいうちから話すことで、性虐待に遭うのを防ぐことができる。――そういう目に遭いそうになった時、すぐに親に話すことができるからだ。親と性の話ができないでいると、性虐待に遭ったときに親に話せず、大きな心の傷となってあとあとまで残ってしまう。
 性虐待の加害者は、自分が小さい頃に性虐待を受けた人、なのだそうだ。大きくなって、自分より力のない子どもに被害を与える…ということが調査でわかっているという。

 カナダでは、3つのプライベートな部分―口、胸、性器―を見たりさわったりしてはいけない、というのが法律になっているそう。
 「もし、さわられそうになったら乱暴なことをして逃げなさい、そして近くにいる大人や親に言うのよ。そういうことをしようとする人には、どんなことをしてもいい。蹴ったり殴ったり、できるだけのことをして逃げなさい。そしてそのことをお母さんに言ってね。決して怒らないから。」
 メグさんは子どもにそう言い聞かせることが大事、という。このあたりはCAP(キャップ…Child=子ども・Assault=暴力・Prevention=防止)』のプログラムと通じるところ(子どもが自分自身を守るためにどんなことができるかを学んでいく)。

 昨年、小学校でも息子が通うクラスでCAPのワークショップが開かれた。それとあわせて、メグさんの性教育の講座が小学校で開かれたらどんなにいいだろうと思う。息子はメグさんの言う第2段階にかろうじて足がひっかかっている年齢だ。

     

   

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